【無料】20分で環境構築しオリジナルサービスを作り始める方法(後編)
@redtail03です。こちらの記事は、以下の記事の後編になります。
前回は、AWSの会員登録をするところまで進めました。
続いて、Cloud9で開発を開始してみましょう。
Cloud9の仕組み
Cloud9の仕組みは少し込み入っているため、説明します。
まずAWSからパソコンを借りて、そこに接続する形になります。AWSにはEC2というサービスもあり、EC2がCloud9で使うパソコンを提供してくれます。Cloud9自体の料金は無料ですが、EC2の利用には料金がかかります。しかし、AWSにアカウント登録をしてから1年間はEC2は無料で利用できます(1ヶ月あたり750時間まで)。
ただパソコンを借りただけでは、そのパソコンで開発することはできません。そこでCloud9の出番です。 Cloud9は、EC2で借りたパソコンにインターネット経由で接続し、ブラウザから操作することを可能にします。ちょうどProgateと同じように、ターミナルやテキストエディタなどが使えます。
1. Cloud9の開発環境を作る
以下のようにコンソール上部の検索バーに「Cloud9」と入力しEnterキーを押すことで、Cloud9のページへ移動できます。
以下のページが表示されたかと思います。
続いて、「create environment」をクリックします。
新しい環境について入力する画面に移動します。Name欄、Description欄は適当に入力して大丈夫です。入力したら、「Next step」を押しましょう。
次は、AWSからパソコンを借りるかと、借りるパソコンの性能についてを選択します。今回はパソコンを借りるのと、性能は一番低いもので大丈夫なので、始めから選択されているもののままで大丈夫です。そのまま「Next step」を押しましょう。
ここまでの設定の確認画面です。入力間違いがなければ、「Create environment」を押します。
すると、以下のように待機画面になります。AWS側でパソコンを用意してくれるため、30秒 ~ 1分程度時間がかかります。
しばらく待つと以下のような画面に移動します。これが、Cloud9の開発画面です。
再度接続するには
AWSのコンソールから再度こちらの開発画面を開きたい場合は、コンソールマネジメントからCloud9を選択します。
すると、以下のように作成済みの環境を確認できます。再度開発画面を開く場合は「Open IDE」をクリックします。
2. Railsの開発を開始する
では、Railsでのアプリケーション開発を試してみましょう。まずは、開発画面について簡単に説明します。Cloud9の開発画面は、大まかに以下のような構成になっています。
ターミナル
パソコンに対して指示を出すことができる部分です。ここから、railsコマンドを入力したりすることになります。
ディレクトリ表示部分
フォルダやファイルの構造が表示される部分です。右クリック(Macの場合は指2本でトラックパッドを押し込む)で、新しいファイル/フォルダを作成したり、削除したりできます。
テキストエディタ部分
ファイルの中身が表示され、編集、保存ができます。
試しに、RubyやRuby on Railsが利用できるのか確認してみましょう。ruby
コマンドやrails
コマンドが利用できれば、それぞれインストールできているということになります。ここではバージョンを確かめるコマンドであるruby -v
,rails -v
を試します。
ターミナルにて、以下のように入力しましょう。
#rubyのバージョンを確かめるコマンド ruby -v ruby 2.4.1p111 (2017-03-22 revision 58053) [x86_64-linux]
#Railsのバージョンを確かめるコマンド rails -v Rails 5.2.1
ビジュアル的には、以下のようになると思います(バージョンなどは多少変化があるかもしれません)。
mysqlのインストール
Railsでは、利用するデータベースを選択することができます。本記事では、mysql
を利用することとします。
Cloud9でmysqlを利用するには、mysqlをインストールする必要があります。
ターミナルから以下のコマンドを入力してください。こちらはmysql関連のソフトをダウンロードしインストールするためのコマンドです。
sudo yum install mysql-devel
すると以下のような表示になるので、「y」を入力してEnterキーを押します。
その後、このように表示されればOKです。
mysqlが利用できるか確かめてみましょう。ターミナルから以下のようにコマンドを入力します。
#mysqlを起動するためのコマンド sudo service mysqld start
その後、以下のように表示されていればOKです。
新規アプリケーションの作成
続いて、rails new
コマンドを試します。今回はtest_app
という名前のアプリケーションを作ってみましょう。
#新規アプリケーションを作成。データベースはmysqlを利用 rails new test_app -d mysql
すると、20 ~ 30秒程度ターミナルで自動的に様々なログが表示されていきます。最終的に、以下のような表示になれば成功です。
続いて、Railsアプリケーションのディレクトリに移動します。
#test_appのディレクトリに移動 cd test_app
以下のように表示されて入ればOKです。
移動したら、データベースを作成します。データベースを作成するには、rails db:create
コマンドを利用するのでした。
#データベースを作成 rails db:create #以下のように表示されれば成功 Created database 'test_app_development' Created database 'test_app_test'
最後に、rails s
コマンドでサーバを立ち上げてアプリケーションの動作を確認しましょう。
#サーバの立ち上げ rails s #以下のように表示される => Booting Puma => Rails 5.2.1 application starting in development => Run `rails server -h` for more startup options Puma starting in single mode... * Version 3.12.0 (ruby 2.4.1-p111), codename: Llamas in Pajamas * Min threads: 5, max threads: 5 * Environment: development * Listening on tcp://localhost:8080 Use Ctrl-C to stop
実際にブラウザでアプリケーションが動いていることを確認します。以下のように、「Preview」をクリックします。
続いて、「Preview running Application」をクリックします。
すると以下のようになるので、少し分かりづらいですが「Browser」と書いてある部分の右のマークをクリックしてください。
新しくブラウザのタブが開き、以下のようにRailsのデフォルトページが表示されれば成功です。
注意
Cloud9の環境を複数作成するとAWSの無料枠を超えてしまい料金がかかってしまいます。複数のRailsアプリケーションを作成したい場合は、1つの環境の中で作成するようにしましょう。
終わりに
これで最低限、Railsのアプリケーションを作成し始めることができるはずです。
わかりづらい部分や疑問点などある場合は、TwitterのリプライやDMにてご連絡いただくようお願いします。