【無料】20分で環境構築しオリジナルサービスを作り始める方法(後編)

@redtail03です。こちらの記事は、以下の記事の後編になります。

joushiki.hatenablog.com

前回は、AWSの会員登録をするところまで進めました。

続いて、Cloud9で開発を開始してみましょう。

Cloud9の仕組み

Cloud9の仕組みは少し込み入っているため、説明します。

まずAWSからパソコンを借りて、そこに接続する形になります。AWSにはEC2というサービスもあり、EC2がCloud9で使うパソコンを提供してくれます。Cloud9自体の料金は無料ですが、EC2の利用には料金がかかります。しかし、AWSにアカウント登録をしてから1年間はEC2は無料で利用できます(1ヶ月あたり750時間まで)。

ただパソコンを借りただけでは、そのパソコンで開発することはできません。そこでCloud9の出番です。 Cloud9は、EC2で借りたパソコンにインターネット経由で接続し、ブラウザから操作することを可能にします。ちょうどProgateと同じように、ターミナルやテキストエディタなどが使えます。

f:id:xeichan:20180923110103p:plain

1. Cloud9の開発環境を作る

以下のようにコンソール上部の検索バーに「Cloud9」と入力しEnterキーを押すことで、Cloud9のページへ移動できます。

f:id:xeichan:20180923094944p:plain

以下のページが表示されたかと思います。

f:id:xeichan:20180923095124p:plain

続いて、「create environment」をクリックします。

f:id:xeichan:20180923111434p:plain

新しい環境について入力する画面に移動します。Name欄、Description欄は適当に入力して大丈夫です。入力したら、「Next step」を押しましょう。

f:id:xeichan:20180923111856p:plain

次は、AWSからパソコンを借りるかと、借りるパソコンの性能についてを選択します。今回はパソコンを借りるのと、性能は一番低いもので大丈夫なので、始めから選択されているもののままで大丈夫です。そのまま「Next step」を押しましょう。

f:id:xeichan:20180923113537p:plain

ここまでの設定の確認画面です。入力間違いがなければ、「Create environment」を押します。

f:id:xeichan:20180923114229p:plain

すると、以下のように待機画面になります。AWS側でパソコンを用意してくれるため、30秒 ~ 1分程度時間がかかります。

f:id:xeichan:20180923114537p:plain

しばらく待つと以下のような画面に移動します。これが、Cloud9の開発画面です。

f:id:xeichan:20180923114636p:plain

再度接続するには

AWSのコンソールから再度こちらの開発画面を開きたい場合は、コンソールマネジメントからCloud9を選択します。

f:id:xeichan:20180923115040p:plain

すると、以下のように作成済みの環境を確認できます。再度開発画面を開く場合は「Open IDE」をクリックします。

f:id:xeichan:20180923115240p:plain

2. Railsの開発を開始する

では、Railsでのアプリケーション開発を試してみましょう。まずは、開発画面について簡単に説明します。Cloud9の開発画面は、大まかに以下のような構成になっています。

f:id:xeichan:20180923115828p:plain

ターミナル

パソコンに対して指示を出すことができる部分です。ここから、railsコマンドを入力したりすることになります。

ディレクトリ表示部分

フォルダやファイルの構造が表示される部分です。右クリック(Macの場合は指2本でトラックパッドを押し込む)で、新しいファイル/フォルダを作成したり、削除したりできます。

テキストエディタ部分

ファイルの中身が表示され、編集、保存ができます。

試しに、RubyRuby on Railsが利用できるのか確認してみましょう。rubyコマンドやrailsコマンドが利用できれば、それぞれインストールできているということになります。ここではバージョンを確かめるコマンドであるruby -v,rails -v を試します。 ターミナルにて、以下のように入力しましょう。

#rubyのバージョンを確かめるコマンド
ruby -v
ruby 2.4.1p111 (2017-03-22 revision 58053) [x86_64-linux]
#Railsのバージョンを確かめるコマンド
rails -v
Rails 5.2.1

ビジュアル的には、以下のようになると思います(バージョンなどは多少変化があるかもしれません)。

f:id:xeichan:20180923121252p:plain

mysqlのインストール

Railsでは、利用するデータベースを選択することができます。本記事では、mysqlを利用することとします。 Cloud9でmysqlを利用するには、mysqlをインストールする必要があります。

ターミナルから以下のコマンドを入力してください。こちらはmysql関連のソフトをダウンロードしインストールするためのコマンドです。

sudo yum install mysql-devel

すると以下のような表示になるので、「y」を入力してEnterキーを押します。

f:id:xeichan:20180923122400p:plain

その後、このように表示されればOKです。

f:id:xeichan:20180923122547p:plain

mysqlが利用できるか確かめてみましょう。ターミナルから以下のようにコマンドを入力します。

#mysqlを起動するためのコマンド
sudo service mysqld start

その後、以下のように表示されていればOKです。

f:id:xeichan:20180923122821p:plain

新規アプリケーションの作成

続いて、rails newコマンドを試します。今回はtest_appという名前のアプリケーションを作ってみましょう。

#新規アプリケーションを作成。データベースはmysqlを利用
rails new test_app -d mysql 

すると、20 ~ 30秒程度ターミナルで自動的に様々なログが表示されていきます。最終的に、以下のような表示になれば成功です。

f:id:xeichan:20180923123359p:plain

続いて、Railsアプリケーションのディレクトリに移動します。

#test_appのディレクトリに移動
cd test_app

以下のように表示されて入ればOKです。

f:id:xeichan:20180923123545p:plain

移動したら、データベースを作成します。データベースを作成するには、rails db:createコマンドを利用するのでした。

#データベースを作成
rails db:create
#以下のように表示されれば成功
Created database 'test_app_development'
Created database 'test_app_test'

最後に、rails sコマンドでサーバを立ち上げてアプリケーションの動作を確認しましょう。

#サーバの立ち上げ
rails s
#以下のように表示される
=> Booting Puma
=> Rails 5.2.1 application starting in development 
=> Run `rails server -h` for more startup options
Puma starting in single mode...
* Version 3.12.0 (ruby 2.4.1-p111), codename: Llamas in Pajamas
* Min threads: 5, max threads: 5
* Environment: development
* Listening on tcp://localhost:8080
Use Ctrl-C to stop

実際にブラウザでアプリケーションが動いていることを確認します。以下のように、「Preview」をクリックします。

f:id:xeichan:20180923124704p:plain

続いて、「Preview running Application」をクリックします。

f:id:xeichan:20180923124827p:plain

すると以下のようになるので、少し分かりづらいですが「Browser」と書いてある部分の右のマークをクリックしてください。

f:id:xeichan:20180923124959p:plain

新しくブラウザのタブが開き、以下のようにRailsのデフォルトページが表示されれば成功です。

f:id:xeichan:20180923125058p:plain

注意

Cloud9の環境を複数作成するとAWSの無料枠を超えてしまい料金がかかってしまいます。複数のRailsアプリケーションを作成したい場合は、1つの環境の中で作成するようにしましょう。

終わりに

これで最低限、Railsのアプリケーションを作成し始めることができるはずです。

わかりづらい部分や疑問点などある場合は、TwitterのリプライやDMにてご連絡いただくようお願いします。